奄美の対象は13種 外来種対策、県指定へ 環境審部会

2019年08月30日

と奄美大島で行われた駆除作業=2017年6月、瀬戸内町

奄美大島で行われた駆除作業=2017年6月、瀬戸内町

 2019年度の県環境審議会自然環境部会(部会長・星野一昭鹿児島大学産学地域共創センター特任教授、9人)が29日、鹿児島市の県青少年会館であり、4月に施行された県の「指定外来動植物による生態系被害防止条例」について、対象種案14種の指定を決めた。このうち、アメリカハマグルマやイノシシ(リュウキュウイノシシを除く)、コイなど動植物13種を奄美群島の指定対象種とする。県は10月末の正式指定と年末の施行を目指しており、対象種の追加指定も随時行っていく。

 

 条例は在来種の生息環境に影響を及ぼす外来動植物を地域別に選定し、県民の飼育や植栽に関する責任を明確にすることで生態系への被害を防ぐのが目的。

 

 条例の基本方針案では、県、国の外来種リストを参考に、原則として明治時代以降に国内に導入された外来動植物の中から選ぶことなどとしている。対象種案は15年に指定した外来種661種と国の生態系被害防止外来種429種がベースで、県は有識者の意見も踏まえて検討してきた。

 

外来種のアメリカハマグルマ

外来種のアメリカハマグルマ

 奄美群島の対象種に指定されるアメリカハマグルマは奄美大島や徳之島、種子島、枕崎市などに分布。在来種の駆逐による生態系への影響などが懸念され、地域では駆除への取り組みも進んでいる。コイは島しょ部を含む県内各地で確認され、雑食性であることから生態系全体への影響が懸念される。

 

 県全体の対象種案14種のうち、オキナワキノボリトカゲについては奄美群島で自然分布しており、群島の対象種案からは除外された。奄美群島の対象種案13種のうち、アメリカハマグルマを除く12種については、群島以外でも指定される地域がある。

 

 奄美群島での指定対象種案は次の通り。

 

 リュウキュウイノシシ以外のイノシシ▽キュウシュウジカ▽ニホンイタチ▽ホンドタヌキ▽インドクジャク▽ニホンスッポン▽アフリカツメガエル▽コイ▽グリーンソードテール▽アメリカハマグルマ▽ホテイアオイ(ウオーターヒヤシンス)▽ポトス(オウゴンカズラ)▽ムラサキカッコウアザミ